Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lee 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 96.621 caracteres · 195 pantallas

Aozora Bunko

蛸重は呆れたように大笑いした。

「アイツの言いそうなことですよ。ウチの婆サンは狐がついているのかねえ。妙な物が見えるらしいね。夢みたいなものが見える人間がいるもんですぜ。そんなものを本気にしちゃ、いけませんや」

蛸重はニヤニヤ人々を見廻していたが、

「ねエ、旦那。人間の身のタケというものは、爺サン婆サンはとにかく、いゝ若い男が、いくら戦争でくたびれたって、スリキレて短くなるというもんじゃないでしょう。私は昨日、復員の安彦さんをお風呂へ入れてあげましたがね。私は物好きの方でしてさ。ちょいと、まア、体重、身長をはかってあげましたよ。体重の方は減りますさね。然し、身長が六分も減っているというのは奇妙でさアね。身長五尺六寸二分、これが出征する前の安彦さんでしたがね。復員の安彦さんは五尺五寸六分ですぜ。アッハッハ。指紋というものは知りませんが、身のタケの方からじゃア、復員の安彦さんはホンモノではありませんな」

驚くべき証言であった。彼がもしホンモノでないとすれば? 彼をホンモノに仕立てた誰かゞいる筈である。なぜ?

「出征前の安彦君が五尺六寸二分だったとは、お前も物覚えがいゝじゃないか。