Clásicos japoneses con furigana
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しあんのはいぼく
思案の敗北
Lee 思案の敗北 (しあんのはいぼく) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2541 caracteres · 6 pantallas
答えて曰く、言うだけ野暮さ。ほんとうだよ、君。
宿題ひとつ。「私小説と、懺悔。」
こう書きながら、私は、おかしくてならない。八百屋の小僧が、いま若旦那から聞いて来たばかりの、うろ覚えの新知識を、お得意さきのお鍋どんに、鹿爪らしく腕組して、こんこんと説き聞かせているふうの情景が、眼前に浮んで来たからである。けれども、とまた、考える。その情景、なかなかいいじゃないか。
どうも、ねえ。いちど笑うと、なかなか、真面目な顔に帰れないもので、ねえ、てのひらを二つならべて一掬の水を貯え、その掌中の小池には、たくさんのおたまじゃくしが、ぴちゃぴちゃ泳いでいて、どうにも、くすぐったく、仁王立ちのまま、その感触にまいっている、そんな工合いの形である。
いままで書いて来たところを読みかえそうと思ったのであるが、それは、やめて、(もう笑ってはいない。)私の一友人が四五日まえ急に死亡したのであるが、そのことに就いて、ほんの少し書いてみる。私は、この友人を大事に、大事にしていた。気がひけて、これは言い難い言葉であるが、「風にもあてず」いたわって育てた。それが、私への一言の言葉もなく、急死した。