Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

おんりょうしゃくよう

怨霊借用

泉 鏡花

Lee 怨霊借用 (おんりょうしゃくよう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.803 caracteres · 38 pantallas

Aozora Bunko

出た、山の端に松が一樹。幹のやさしい、そこの見晴しで、ちょっと下に待つ人を見ようと思ったが、上って来た方は、紅甍と粉壁と、そればかりで夫は見えない。あと三方はまばらな農家を一面の畑の中に、弘法大師奥の院、四十七町いろは道が見えて、向うの山の根を香都良川が光って流れる。わきへ引込んだ、あの、辻堂の小さく見える処まで、昨日、午ごろ夫婦で歩行いた、――かえってそこに、欣七郎の中折帽が眺められるようである。

ああ、今朝もそのままな、野道を挟んだ、飾竹に祭提灯の、稲田ずれに、さらさらちらちらと風に揺れる処で、欣七郎が巻煙草を出すと、燐寸を忘れた。……道の奥の方から、帽子も被らないで、土地のものらしい。霜げた若い男が、蝋燭を一束買ったらしく、手にして来たので、湯治場の心安さ、遊山気分で声を掛けた。

「ちょいと、燐寸はありませんか。」

ぼんやり立停って、二人を熟と視て、

「はい、私どもの袂には、あっても人魂でしてな。」

すたすたと分れたのが、小上りの、畦を横に切れて入った。

「坊主らしいな。……提灯の蝋燭を配るのかと思ったが。」

俗ではあったが、うしろつきに、欣七郎がそう云った。