Clásicos japoneses con furigana
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かいいくろひめおろし
怪異黒姫おろし
江見 水蔭
Lee 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) de 江見 水蔭 (えみすいいん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.963 caracteres · 26 pantallas
も気乗がせず、諸国を医者に化けて廻っているうちに、相模の三増峠の頂上に於て行倒れの老人に出会した。
薬を与えたので一時は蘇生したが、とてもこの先何日も保たぬ命と知って、その老人が教えてくれた大秘密、それを今夜は滝之助にと語り移すのであった。
「その老人は甲州浪人の成れの果てで、かつては武田勝頼殿に仕えた者とやら。その人の物語った事じゃが、信州黒姫山の麓には、竹流しの黄金がおおよそ五百貫目ばかり、各所に分けて隠して有るという事でのう」
「え、えッ」と滝之助は吃驚した。
「それを探して掘り出そう為に、薬草採りと表面を偽り、今日までは相成ったが……」
「一ヶ所にても見付かりましたか」
「それが未だじゃ」
「浪人が好い加減の事を申したのでは御座りませぬか」
「いやいや、極めて確かな話じゃ。それは斯様な筋合じゃ」
四
洞斎老人は、語り次いだ。
「およそ古今武将の中で、徳川家康という古狸位、銭勘定の高い奴は無いとじゃった。欲ばかり突張っていたその為に、天下も金で取ったようなもの。その金好きを見抜いて喰入ったのが、元甲州は武田家の能楽役者、大蔵十兵衛と申した奴。伊豆に金山の有る事を申上げてから、トントン拍子。