Clásicos japoneses con furigana
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てがみ
手紙
久生 十蘭
Lee 手紙 (てがみ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.158 caracteres · 30 pantallas
インドネシアの刳舟が大海へ流されると、インドネシアはあおのけに艫に寝て、何日でも動かない決心をいたします。動くと、早く、死にます。ときどきスコールの雨水が口から流れこんで、身体を養ってくれます。すこしも動きませんので、たいてい六十日から七十日ぐらいは生きていて、その間に、通る舟に救われます。これがほんとうのサムナー法なのであります。
私の舟は、風にしたがって東へ行き、また西へ行きました。だんだん身体が弱ってきて、目をあいたまま、いろいろな夢を見ました。二十日目ごろ、海の上に二頭立ての馬車が走ってきました。それはジャワのバタヴィアやスラバヤにあるドッカールのような馬車で、舷のところへ来ると、馭者が私に、
「そんなことをしてると死んでしまうぞ。早くこの馬車に乗れ、陸まで連れて行ってやる」といいました。
私はよろこんで、舷に結びつけていた左腕の蔓をとき、いざ馬車へ乗ろうとすると、大きな海豚がはねあがって、私の顔に冷たい海の水をいっぱいに浴びせました。それで私はハッとして、どうしてこの馬車は海の上を走っているのだろう。へんだなァと思って、
「おれはやはり舟にいる」