Clásicos japoneses con furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Lee 探偵クラブ 烙印 (つめ) de 大下 宇陀児 (おおしたうだる) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.509 caracteres · 103 pantallas
そうしてその代りに、あとで露子と相談した。
「ねえ露子、僕、ママにそういってやろうと思うんだけど――」
「なにをよオ?」
「佐々沼の小父さんがくれた薬のことさ。パパがね、この頃毎日病気だっていってるだろう。だから僕は、あのお薬をもっと沢山パパに飲ませたらいいと思うんだ。きっとママは、パパにあのお薬を、少しずつしかやらないに違いない」
「じゃ、沢山やればいいことよ」
「うん、そうなんだ。けれど、それをいえば、僕が何故その薬のことを知ってるかって、ママに訊かれるに違いないし、訊かれれば僕困ってしまうし――」
二人共にそれ以上の智慧は出ない。困ったなりで、そのままになってしまったけれど、一方博士は一月の末から二週間あまり、暖い海岸へなど行って保養につとめても、目に見えぬくらいずつ病状を悪化させて行った。そうして、二月半ばになると、どうせ海岸にいたところで同じことだし、それよりか、矢張り自宅で子供達の傍にいた方がいいといい出して、再び伯太郎達のところへ帰って来た。
ママちゃん小野村漾子は、その間最も貞淑に博士を看病していたかのように見える。
博士夫妻が自宅へ戻ると、それからは四五日の間、何事もない日が続いて行った。