Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lee 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 204.697 caracteres · 406 pantallas
「君、こう云う奴が僕の事を何か聞かなかったかい」
交番に行くと石子刑事は、そこにいた顔馴染の巡査に支倉の容貌を委しく話した。
「えゝ、来ましたよ。朝でした。丁度私の番の時です。そいつに違いないのです」
巡査は答えた。
彼の話によると、今朝方支倉はブラリとこの交番を訪ねて、繃帯をした腕を示しながら、
「私は此間電車から落ちてこの通り怪我をしたのですが、その節傍に居られた石子刑事さんに大へん御厄介になったのです。是非一度お訪ねしてお礼がしたいのですが、あの方のお住居は、どちらでしょうか」
と聞いたのだった。
で、巡査は委しく石子刑事の宅を教えたのである。
「繃帯をしていたって?」
石子は聞き咎めた。
「えゝ」
「怪我をしたようだったかい」
「そうですね、どうもそうらしかったですよ」
どうして怪我をしたのか知ら。二階から飛降りた時かしら。
石子は鳥渡考えて見たが、もとより分る筈がなかった。
「ではね、君、もし今度この辺をうろついていたら、早速捕まえて呉れ給え」
石子はそう云い置いて家に帰った。
翌日の午後、石子刑事が署に出ると、又しても書留速達の分厚い手紙を受取った。