Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かいていごじょうほう

改訂御定法

山本 周五郎

Lee 改訂御定法 (かいていごじょうほう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 29.422 caracteres · 58 pantallas

Aozora Bunko

直衛は頬笑んだ。彫って磨きをかけたような、はっきりした頬笑みかたであった。

「そういうつもりか」と宗兵衛が云った。

「どういうつもりもない、おれなら裁きをつけてみせるというだけだ」と云って直衛は片手をゆっくり上へあげた、「しかし、むりに買って出るわけじゃないぜ」

宗兵衛は考えてからきいた、「どうすればいいんだ」

「城代の朝倉さんに相談するんだな、御定法も曲げず、藩や家中の名聞もきずつけずに裁きをつける、おれならそれができる、そう云えばいいだろう」

「今日は出仕か」

「非番だ、精士館へゆくかもしれないが」

「ここにいてくれ」と宗兵衛が云った、「十時から最後の評定がある、矢堂詰腹の案はその席で決定するだろう、そのまえに御城代と会って相談するつもりだ」

「早くしろよ」と直衛は感情のない口ぶりで云った、「詰腹なんぞ切らせたら取返しのつかないことになるぞ」

宗兵衛は去り、直衛は朝食をたべた。

食事のあと、庭へおりていって、彼は野木瓜を見た。庭木の木瓜ではなく、野生の木瓜で、丈は高いので一尺五寸くらいだし、枝も極めて細い。亡くなった妻がどこからか移したもので、春には朱色の花がみごとに咲く。