Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lee 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 177.454 caracteres · 357 pantallas

Aozora Bunko

「おれは彼の鯉の胴体をしっかり心ゆくまで掴んで見たい願いをもっている。あれが不思議な冷たい生きものであるか。単にそれだけのものであるか、それとも柔らかい名状しがたい別な生きものであり、そしてその掴んで見ることによって何等かの愉楽を感じ得るものであるか、ともあれ、あれのからだには様様なものの感覚が、この混鬧の巷のうちの何かが潜んではいまいか。」

かれの恁ういう詰らない考えは、殆ど熱病のようにかれのからだのなかに広がってゆくのであった。埃と煤と紙きれと。またそれらにまみれた空気よりしかないこの池、あやしげな一切の影をうつす水の面、そのなかには、かれ自身さえ知ることのできないものが有り得るもののように思えた。三年に一度ずつの底浚いにはふしぎにも幾つものダイヤモンドの指輪と、ほかに又純金の指輪が必ず落されているということや、銀貨が沈められていることや、その他に純金細工の櫛やかんざしや珊瑚珠や、ときとすると不思議な絵画が幾束となく固く封じられて底深く沈められてあることや、男と女との人形が固く両方から縛められ、錘をつけられかつ呪われたままで泥底のなかに沈みこんでいることなどがあった。