Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 187.757 caracteres · 375 pantallas
勝家が出て来るにしても、背後の上杉に後顧なきを得ない。そのために、残して来る者は、必ず佐々成政あたりであろうとは、秀吉の予測していたところだった。
「よしよし。退がって眠れ」
入れ代りに、昨夜から大物見に出ていた部将が二名、そこへ入った。これらの細作隊の情報も、前の報告と、さして相違はなかった。
「朝飯」
それから後は飯だった。
手にした野戦食は、柏の葉でくるんである色の黒い握り飯だった。中に味噌が入っている。秀吉はそれをボソボソ噛みながら小姓組の石田佐吉、福島市松、片桐助作などと何やら語らっていたが、自分がまだ半分も喰べ終らぬまに、みなペロリと食い終っているのを眺めて、
「お汝らは食物を噛まぬか」
と、たずねた。
小姓たちは笑って答えた。
「殿が遅すぎるのでございましょう。早飯早糞は私どもの慣いです」
「心構えはそれでよかろう。早糞もよろしかろう。じゃが、飯は佐吉のように喰わねばいかぬ」
片桐、脇坂、その他の輩は、そういわれて皆、佐吉の方を見た。――秀吉と同じように、佐吉もまだ手に半分ほど飯をのこして、お婆さんのように念入りに噛みしめていた。
秀吉は云った。