Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 187.757 caracteres · 375 pantallas
旗奉行の石川兵助、軍奉行の一柳市助、加藤光泰のふたり、小姓組では加藤虎之助、脇坂甚内、平野権平、石田佐吉、糟屋助右衛門など七、八輩が徒歩または馬で秀吉の近くを走っていたに過ぎない。
長松、垂井、関ヶ原――
道が、山間にかかると、徒歩の士は遅れがちになり、代って、騎馬の者が追いぬいてゆく。
しかし、秀吉の姿はなお、先頭にあった。
不破を過ぎると、先頭にかけ離れていた秀吉と七、八騎の影は、突然、街道に見えなくなった。
「や。いずれへ」
驀走して来た騎馬また騎馬の奔流と、徒歩立ちの武者たちは、玉村端れの並木に、堰となって立ち淀みながら、
「はて。お姿は?」
「この行くてには見えぬ」
「しもうた。――道をかえられたに相違ない」
「さては、伊吹の裾道よ。――玉村から川寄りへ曲がれば、藤川、上平寺下、春照村を通って、この街道を行くよりは、およそ二十町の近道になる」
「オ、それだ。返せ」
「おういっ、道をもどれ」
「返せや、後の者っ」
なお、駈け来る者と、引っ返す者とで、渦をえがく混騒が生じた。
中には、かかる暇も惜しとばかり、そのまま北国街道をまっ直ぐに、鞭を上げて走るもあり、玉村の追分から、伊吹山の裾を見ながら、狭い間道をとって、急ぎに急ぐ人々もある。