Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas
御内室にも、信長の軽率な行状ぶりを、それとなく案じておられた。――実は、日吉祭のわずか三日の問題だが、味方の城下では、祭や踊りに浮かれていると聞いたら、戦線の将兵はどう思おう。敵国からも末期症状と見られるだろう。何よりはまた、民心をつけ上がらせ、平常の御国策も自然に行われなくなろう。
「由々しい問題じゃ。――よろしい。三左がお諫め申しあげてみよう」
「なにぶん」
奉行や添役は、頭を下げた。
可成は、側にいる愛くるしい少年の童髪を撫でて、
「父は、殿様へお眼通りしてすぐ戻って来る。大人しゅうしていやい」
美童は、素直に頷いた。
男かしら? ……と、見惚れていた奉行は、愛想に、
「ようお聞きわけじゃの。お名は?」
と、訊ねた。
美童は、彫って丹を点じたような唇元で、
「蘭丸」
と、答えた。そして出て行く父の後ろ姿を、美麗な眸で見送っていた。
奈良人形のように、両手を膝に重ねたまま、蘭丸は、かなり長い時間、動きもせず待っていた。
やがて、可成は退って来た。
どうか? ――と案じていた人々が、すぐ君前の首尾を訊ねると、可成は先に首を振って見せた。
「お聞き入れはない――。