Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas

Aozora Bunko

その兵は、丸根から落ちて来た佐久間大学の郎党であった。

「主人佐久間殿も、敵の大軍と、四方から焼き立てられた炎の中で、勇ましい御最期をとげられ、同じ時刻に、鷲津砦の飯尾近江守殿にも、華々しゅう、乱軍の中に討死と聞えました」

信長の馬前へ、曳かれて来て、その郎党は、傷負の苦しげな呼吸を、自分で励ましながら告げた。

「ひとり生きて、その場を去るのも、面目なしと存じましたが、主人大学のいいつけで、お味方へ、右の次第、お知らせまでに、落ちて参りました。――落ちて来るうしろに、天地も揺がすばかり、敵の勝鬨が聞えました。鷲津も丸根もあの辺り、すでに眼に見えるもの耳に聞えるものは、敵軍でないものはござりませぬ」

聞き終ると、信長は、

「於藤、於藤」

と、旗本の中へ云った。

佐脇藤八郎は、年少なので、大勢の強者ばらの中に、埋まっているように交じっていたが、信長に呼ばれると、

「はいッ」

と、喜び勇んで、主君の鐙の側へかけ寄ってきた。

「お召しでございますか」

「於藤か。清洲を出る折、そちに預けおいた数珠をこれへ」

「お数珠ですか」

藤八郎は、主君のそれを、もし乱軍の中で、落しでもしてはならないと、重責を感じて持っていたらしく、旗風呂敷にくるんで、鎧の上から斜めに掛けて、固く背負いこんでいたが、その結び目を解いて取り出すとすぐ、