Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas

Aozora Bunko

「ごんぞ。――具足櫃を。具足櫃を」

「はッ」

ごんぞは、跳び上がって、主人の前へ、すぐそれを抱えて来た。

彼は間もなく、供も連れず、深夜の道を、お城の方へ駈けていた。

貧しい一領の具足をまとい、太刀を横たえ、革たびに草鞋ばきで、宙を飛んで行った。

美濃――

と、聞いただけで、

「さては」

と、彼には直ぐ思いあたることがあった。ここ数年来、危険な状態をもちつづけている美濃の斎藤家に、内乱が勃発したのではあるまいかということだった。

(――何日かは必ず)

と、藤吉郎は、むしろその遅いのを不審とするほど、やがて来るべきものを、信じていたのだった。

――それだ!

彼は疑わなかった。

来て見ると果たして、清洲城の大手には、はや人馬の影がうごいていた。門を固めていた兵は、彼のすがたが、日頃の恰好とはちがうので、いきなり素槍を向けて来て、

「誰だッ。待て。通ることはならん」

と、叱ったが、藤吉郎が大音を張って、

「これは、お厩衆の一人、木下藤吉郎にてござる。深夜、お城近くへ、頻々と馬蹄の音の相継いで行くのに眼ざめ、何事やらんと、役目がら馳せつけて参った者――」と、いうと、