Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas
「水掛祝いに参った」
と、犬千代が、しかも大勢で、婚儀の席へ闖入してきたので、
「――これは狼藉な」
と、又右衛門一家はもとより、名代媒人の丹羽兵蔵も驚き呆れるばかりだった。
けれど花聟の藤吉郎は、むしろ非常な歓びらしく、
「よく来た」
と、席をすすめ、
「やあ、貴公もか」
と、めずらしい顔へは愛想などいい、そして、たった今、杯を交わしたばかりの白装束の花嫁をつかまえて、もう、
「寧子、とりあえず、何なりと肴を持て。そしてな、酒だ、酒をたくさんにこれへ」
と、いいつける。
「はい」
寧子も、さすがに、この不意打にはさっきから眼をみはっていた。しかし、かかることに驚くようでは、この良人の妻として生涯添うてはゆけないものと、はやくも分った容子でもあった。
「――かしこまりました」
すぐ次の間で、花嫁は花嫁の雪白な打掛を解いた。そして白小袖のうえに、平常の濃袴を腰にまとい、襷もかけて、立ち働きはじめた。
「かような婚儀があろうか」
一間では、憤然と、怒っている縁者の声もする。
「な、なんじゃ! あの態は。――まるで祝言を荒しに来たようなもの。聟どのも聟どのではないか。