Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas
あははは」
「何を笑う。猿」
「犬千代。おぬしは、稲葉山へ攻めのぼるつもりかよ」
「もとよりのこと。人におくれはとらぬつもり」
「戦は、眼をあいて、なさるものぞよ。――どうしてこのまますぐ、殿が美濃へ斬り入ろう。美濃の御合戦は、まだ何年か後のことにちがいない。――まず今度は、木曾川までか」
藤吉郎は、予言した。
何をばかな――と、犬千代は耳にもかけなかったが、やがて、木曾川の岸まで来ると、信長は、
「やすめ」
と、陣へ令を下して、次の戦況が来るのを、そこで小半日も待っていた。
美濃の空は、どんより煙っていた。日が暮れると、乱雲は赤々と平原や山岳の上をながれて行くが、木曾川の西岸にある信長の軍は動かなかった。
宵の頃だった。
木曾川を泳ぎ渡って来た男がある。捕えてみると、道三方の落武者だった。信長の前に引っ立てられて来ると、落武者はこう告げた。
「山城守様には、鷺山のお城を出られて、長柄中瀬のほとりに義龍の軍を迎え、おとといからの激戦にござりましたが、遂に、義龍の部下、小牧道家のために、お首を掻かれ、義龍はそのお首を見ると、――乃翁よ、われを恨むな。これも、乃翁がみずから選んだ運命なれば――と、お首を、長良川へ投げ棄てられました。