Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas

Aozora Bunko

「残念ですッ」

二人の若者は、この辺りの森と水の静寂へ避けて、お互い肉親同士の姿を見合うと、さすがに気崩れに襲われて、光安入道の足もとへよろめき仆れた。

「はや、迫りました。無念ながら、祖先以来のこの居城の運命も」

「ムム、迫った! ……」

「……がしかし」

と、十兵衛光秀は、力をこめて云った。

遠い焔の音や、矢さけびの方へ、眦から眸をきっと向けながら云った。

「われわれ一族、主君山城守様に殉じて、ここに討死して果てましょうとも、土岐源氏このかた、数百年、われわれに至るまで、不義不道の賊子は一族から遂に出しませんでした。誇りですッ。武門として、これは、亡びた者ではありません。人道の命脈を完うし、栄光の裡に、武門の旗を焼くだけのことです」

「そうだッ」

光春もいった。光安入道もうなずいた。

「叔父上。欣びましょう。欣んでわれわれは、暴悪な狂兵と戦いつくして、最後の旗を焼きましょう。腕のかぎり、敵を斬って、各※(二の字点、1-2-22)死地を選びましょう。……お別れです。今生のこと、お礼も何も、申している遑はございません。死出の山で――」

手をついていうと、十兵衛はもう再び、起ちかけていた。