Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.406 caracteres · 381 pantallas
「光春。……いるか」
入道の眸は、もう見えないらしかった。
「おります。父上ッ。光春はお側に――」
「十兵衛は」
「叔父上。十兵衛も、これにおりまする」
「ふ……ふたりとも……討死は相ならぬぞ。わしを犬死さすな。御主君に殉じ、この城と運命を共にするのは、わしだけでいい。武門の名は立つ。……早う落ちて行け。わしに関わず、おぬしらは」
「……はい」
「十兵衛。……光春をたのむ。光春をたのむぞよ」
喉を掻き切って、なお、手から離さずにいた短刀で、光安入道は、云い終るなり、鎧の胴のすきまから脾腹へそれを突き立てて果てた。
「光春。お首を」
「あッ……」
光春は、暗然と、眼をくもらせたまま、為す術を知らなかった。
入道の屍の背には、見ているまに、火や灰が降って来た。十兵衛は、従兄弟の意気地ない様子を歯がゆく思ったか、
「ごめん!」
入道の首を掻き落して自分の袖に抱え、
「光春ッ。早く来いッ」
と、先に立って駈け出した。
昼はかくれ、夜になると、獣のように、ふたりは歩いた。
可児郷のうちは、領土内なので、地理もわかっているし、土民の家を叩いても、匿ってくれたが、飛騨街道まで来ると、もう敵の柵や、敵の影ばかり眼について、