Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 180.256 caracteres · 361 pantallas
事ある時は戦場において、男がいある御奉公も致さばやと、心がけの一として、飼い馴らしておるものです。折角、わが君のお望みにはござりますが、武士にとって大事な駒、差し上げるわけには相成りませぬ」
奉公のため、武士のたしなみのため――という彼の強いことばに、信長もそれ以上、無下によこせとも云い得なかったが、なお、執着とわがままは、捨てきれなかった。
「五郎左」
と、重ねて、
「嫌か。どうしても嫌か」
「この儀ばかりは……」
「そちの身分には、あの鹿毛は、ちと過物であろうが、そちも父の中務ほどな士になったら、野分ほどな駒にも乗れ。――まだ若い身に、鞍負けするというものじゃ」
「恐れながら、御意はそのまま、殿へお返し申しましょう。――お鞍の上で、串柿や瓜など喰べて、御城下をお練りあそばすには、何も、名馬のお選みは御無用かと存ぜられます。むしろ五郎左の如き武士に飼わるるこそ、野分も本望の筈と覚えまする」
と、いって退けた。
五郎左は、つい、いってしまった。馬を惜しむ心よりも、日頃の忿懣が、思わず、口をついて出てしまったのである。
孤君と老臣
五郎左衛門の老父、平手中務政秀は、二十日あまりも、門を閉じて、邸に籠っていた。