Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ふたりのとも

新潮日本文学1 森鴎外集

森 鴎外

Lee 新潮日本文学1 森鴎外集 (ふたりのとも) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.954 caracteres · 29 pantallas

Aozora Bunko

君は、「フランス語も面白いでしょうが、僕は二つの語を浅く知るより、一つの語を深く知りたいのです」と云う。「また一説だね」と、私は云う。この背面には、そうばかりは行かぬと云う意味がある。君はそれを察する。そして多少気まずく思う。その上余り頻りに往来した挙句に、必然起る厭倦の情も交って来る。そこで毎日来た君が一日隔てて来るようになる。二日を隔てて来るようになる。譬えて言えば、二人は最初遠く離れた並行線のように生活していたのに、一時その距離が逼り近づいて来て、今又近く離れた並行線のように生活することになったのである。

F君はドイツ語の教師をして暮す。私は役人をして、旁フランス語の稽古をして暮す。そして時々逢って遠慮のない話をする。二人の間には世間並の友人関係が成り立ったのである。

――――――――――――

翌年になった。四月の初にF君が来て、父の病気のために帰省しなくてはならぬから、旅費を貸して貰いたいと云った。幾らいるかと云えば、二十五円あれば好いと云う。私はすぐに出してわたした。もう徼幸者扱にはしなかったのである。この金の事はその後私も口に出さず、君も口に出さずにしまった。