Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lee 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 155.541 caracteres · 305 pantallas

Aozora Bunko

「城代家老よりの使者としてまいりましたと、口上にござります」城代からの使者、左近はちょっと眼をつむった。……大峰、矢田部を追放すると、弟に約束させてから半日、案外すらすらとはこんだので、やっとひと息ついたところである。そこへ追っかけて城代からの使者といえば、両人追放に反対を申し出たのではあるまいか。そうだとすれば事は面倒になる。頼胤の立場が困難なことをよく知っているかれは、無理に押し切ることが、弟をどんな苦痛に押しやるかわかるし、さりとて老臣たちの申し条を容れれば、今とりかわしたばかりの、水戸家臣との口約を裏切ることになる。――こういうつまらぬ事の縺れから大事を誤るものだ。左近は使者にどう応待すべきかをややしばらく考えたのち、引見の間へと出た。

使者の校川宗兵衛は、紋服に麻上下を着けて来ていた。左近はすぐに扈従の者をさがらせ、膝をつき合せるようにして坐った。

「城代の用向きはなんだ」

「お上御帰国の供の中に、他家の家臣が紛れこんでおるとの御意につき、さようなる事実はこれなく、思召し違いに存じ奉るとの口上にございます」

「使者の役たいぎ」そう云って左近はじっと宗兵衛を見た、「宗兵衛、そのほうに城代の使者を申付けたのはなに者だ、老臣のさしずか、それとも」