Clásicos japoneses con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lee 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 155.541 caracteres · 305 pantallas
「おまえの云うことはまるでわからないぜ坊や、どうしておじさんが町へ帰って、そのなんとかいう宿屋へ」
「松八だよ、本当は松田屋八兵衛っていうんだけど松八でちゃんとわかるんだ、けちなはたごなんかじゃないんだぜ」
「たいそう自慢するが、それじゃあ詰り坊やはその松八の客引なのかい」
「冗談じゃないや、おいら頼まれたから追っかけて来てやったんだ、そんな勘違いをされてたまるものか、だっておじさんは太橋ってえ名前だろう」
「びっくりさせるな、どうして太橋という名を知っているんだ」
「だから云ってるじゃないか、頼まれたんだってさ、あのおじさんを追っかけていって、太橋という人だったら町へ戻るように、そして松八へ泊るように云って呉れ、そういって頼まれたんだよ」
「それはどこの誰だ」大助は思わず道の上下を見やった、「どういう人間だいその人は」
「そんなこたあ知らないよ」子供はふと眩しそうに眼をそらした、「……なんでもいいから戻るんだよ、訳はあとでわかるってさ、おいらそれだけ云えばいいんだ、あばよ」
ちょっと待てと呼んだが、子供は見向きもせずに駆け去ってしまった。……子供は相手の人間を隠している。