Clásicos japoneses con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lee 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.330 caracteres · 497 pantallas
私はおかしくてたまらない。
「大丈夫かの?」
母は金の事を心配している様子。私は現在のここだけが安住の場所のような気がして仕方がない。何処へも行きたくはない。
〆て一円四銭の払いなり。四銭とはお新香だそうだ。京菜の漬けたのに、たくあんの水っぽいのが二切れついている。
あかね射す山々、サウロ彼の殺されるをよしとせり。その日エルサレムに在る教会にむかいて大いなる迫害おこる……。ああ、すべては今日より葬れ。今日よりすべてを葬るべし。
瀬田へ戻ったのが十時。湯気のたっている熱いシュウマイをまず主にささげん。――野村さんはもう蒲団の中に寝ていた。机の横に、私の置いたままのかっこうで、玉子とネーブルがまだ生きている。私は部屋に立ったまま恐怖を感じる。足もとが震えて来る。壁の方をむいたまま動かない人を見てはもうろうとした酔いもさめ果てる。私は破れた行李を出して、その中に座蒲団を敷き母をその中に坐らせる。早く夜明けが来ればいいのだ。七輪に木切れを焚き部屋をあたためる。
新聞紙を折りたたんで、母の羽織の下に入れてやる。膝にも座蒲団をかけ、私も行李の蓋の中へ坐る。まるで漂流船に乗っているようなかっこうだ。