Clásicos japoneses con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lee 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.330 caracteres · 497 pantallas
何も驚く事はないくせに、一寸した動機で、何時でも自分をやけくそに捨ててしまえる根ざしはあるものなり。暑いせいか、私はますます原始的になり、せめて、今夜だけでも平凡ではいられないと苛々して来る。迷惑は何処にもころがっていると思いながら、窓の燈を見ると、石を投げたくなるのはどうした事だろう。
小さい制限のなかで生きているだけなのよ。そこから、出る事も引っこむ事も出来ない。イエス・キリストのたまわくだ。キリストがベツレヘム生れだなんて怪しいものだ。いったい、イエス・キリストなんて、大昔に生きていましたのかね。誰も見た人はないし、誰も助けられたものはない。おシャカ様にしたって怪しいものだ。
太陽や月を神様にしている孤島の人種の方がはるかに現実的で、真実性があるのに、神様だなんて、たかが人間の形をしているだけの喜劇。この環境の息苦しさを誰一人怪しむものもない。
(八月×日)
今日はさんりんぼうで、商売に出ても、大した事もないと、お母さんも義父も朝寝。みいんみいんと暑くるしく蝉が啼きたてている。前の牛小舎では、荷車に山のように白い豆腐のおからが盛りあげて、蠅がゴマのようにはじけている。