Clásicos japoneses con furigana
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とりをとるやなぎ
新編 風の又三郎
Lee 新編 風の又三郎 (とりをとるやなぎ) de Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 23.750 caracteres · 49 pantallas
あんまりひもじくておなかの中にはもう糸がない位でした。けれども蜘蛛は
「うんとこせうんとこせ」と云いながら、一生けん命糸をたぐり出して、それはそれは小さな二銭銅貨位の網をかけました。
夜あけごろ、遠くから蚊がくうんとうなってやって来て網につきあたりました。けれどもあんまりひもじいときかけた網なので、糸に少しもねばりがなくて、蚊はすぐ糸を切って飛んで行こうとしました。
蜘蛛はまるできちがいのように、葉のかげから飛び出してむんずと蚊に食いつきました。
蚊は「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」と哀れな声で泣きましたが、蜘蛛は物も云わずに頭から羽からあしまで、みんな食ってしまいました。そしてホッと息をついてしばらくそらを向いて腹をこすってから、又少し糸をはきました。そして網が一まわり大きくなりました。
蜘蛛はそして葉のかげに戻って、六つの眼をギラギラ光らせてじっと網をみつめて居りました。
「ここはどこでござりまするな。」と云いながらめくらのかげろうが杖をついてやって参りました。
「ここは宿屋ですよ。」と蜘蛛が六つの眼を別々にパチパチさせて云いました。