Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
しんさいゆうき
新西遊記
久生 十蘭
Lee 新西遊記 (しんさいゆうき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 26.654 caracteres · 52 pantallas
翌朝、天幕を出てみると、百七、八十貫もありそうな牛のような異様なけだものが三十頭ばかり草を食っている。身体は密毛で蔽われ、額から波のように垂れた長い毛が顔を包みこみ、眼鼻もわからないほどになっている。尾は絵にある唐獅子にそっくりで、草を噛む音は櫓をこぐよう。眼つきに凄味があって、いまにも突っかけて来るのではないかと思われるくらいだった。これは西蔵高原の不毛の寒地に野生しているヤク(※(「釐」の「里」に代えて「牛」、第3水準1-87-72)牛)という動物で、北部ではもっぱら駄用乗用に使役し、肉と乳は食料、皮は沓に、毛は織物に、糞は乾かして燃料にする。見かけは恐ろしいが牛よりも温柔だという。そう聞くと、これに荷をつけてゆけば長旅の苦労は半分に減ると思い、乾隆銀幣(西蔵銀貨)を出してたのむと、金などはいらない、マナサロワール湖の手前の河のそばに弟の天幕があるから、そこへ置いて行けばいいという。礼をいってヤクを一頭借りうけ、その背に荷を預けて北に向いて歩きだした。玄奘三蔵のお伴はお猿と猪だったが、こちらはヤクかと可笑しくもあった。
小麦粉を捏ねて塩と唐辛子粉をまぶして食い、夜は斑雪の岩地に寝て、十日ほどすると最初の川にいきあたった。