Clásicos japoneses con furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lee 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 68.545 caracteres · 140 pantallas
安寿が亡きあとはねんごろに弔われ、また入水した沼の畔には尼寺が立つことになった。
正道は任国のためにこれだけのことをしておいて、特に仮寧を申し請うて、微行して佐渡へ渡った。
佐渡の国府は雑太という所にある。正道はそこへ往って、役人の手で国中を調べてもらったが、母の行くえは容易に知れなかった。
ある日正道は思案にくれながら、一人旅館を出て市中を歩いた。そのうちいつか人家の立ち並んだ所を離れて、畑中の道にかかった。空はよく晴れて日があかあかと照っている。正道は心のうちに、「どうしてお母あさまの行くえが知れないのだろう、もし役人なんぞに任せて調べさせて、自分が捜し歩かぬのを神仏が憎んで逢わせて下さらないのではあるまいか」などと思いながら歩いている。ふと見れば、大ぶ大きい百姓家がある。家の南側のまばらな生垣のうちが、土をたたき固めた広場になっていて、その上に一面に蓆が敷いてある。蓆には刈り取った粟の穂が干してある。その真ん中に、襤褸を着た女がすわって、手に長い竿を持って、雀の来て啄むのを逐っている。女は何やら歌のような調子でつぶやく。
正道はなぜか知らず、この女に心が牽かれて、立ち止まってのぞいた。