Clásicos japoneses con furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lee 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 68.545 caracteres · 140 pantallas
それは若くて美しいと思われた人も、しばらく交際していて、智慧の足らぬのが暴露してみると、その美貌はいつか忘れられてしまう。また三十になり、四十になると、智慧の不足が顔にあらわれて、昔美しかった人とは思われぬようになる。これとは反対に、顔貌には疵があっても、才人だと、交際しているうちに、その醜さが忘れられる。また年を取るにしたがって、才気が眉目をさえ美しくする。仲平なぞもただ一つの黒い瞳をきらつかせて物を言う顔を見れば、立派な男に見える。これは親の贔屓目ばかりではあるまい。どうぞあれが人物を識った女をよめにもらってやりたい。翁はざっとこう考えた。
翁は五節句や年忌に、互いに顔を見合う親戚の中で、未婚の娘をあれかこれかと思い浮べてみた。一番華やかで人の目につくのは、十九になる八重という娘で、これは父が定府を勤めていて、江戸の女を妻に持って生ませたのである。江戸風の化粧をして、江戸詞をつかって、母に踊りをしこまれている。これはもらおうとしたところで来そうにもなく、また好ましくもない。形が地味で、心の気高い、本も少しは読むという娘はないかと思ってみても、あいにくそういう向きの女子は一人もない。