Clásicos japoneses con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lee 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.091 caracteres · 30 pantallas
琴はおのおの得手の曲を弾くのであろう、そしてみな相当にたしなみのある娘たちとみえて、なんの知識もない平之丞の耳にさえ神妙に聞えるものが少なくなかった。こうして人数の半ばまで入れ代ったとき、たいへん手のこんだ曲をみごとに弾きこなす娘があった、それまでのものとは際だって鳴り高であり、音いろの美しさと転調のあざやかさは、酔わされるようだった。
「あれが妹のそでだ」
六弥が平之丞に向かってそう囁いた、
「きょうはお石どのの琴を聴くつもりであんなにしたくをしたのだが、自分もいっぱし聴いて貰うつもりだろう、ことによると弾き負かす気でいるかも知れない」
「おれはまるで耳なしだからわからないが、そでどのの琴は抜群のようじゃないか、お石などは問題ではないだろう」
「いやそれが違うんだ」
六弥は盃をとりながら云った、
「そこもとの家にいた検校がいつか家へ来たことがある、そでがちょっと手なおしをして貰ったのだが、そのとき検校がお石どのの評をしていった、おれは聞かなかったが絶賞だったそうだ、それいらい家ではいつかいちどお石どのの手ぶりを聴き、そでにも弾きくらべさせたいと話していたようだ、あの小袖幕の向うにはきっと母も聴きに来ている筈だよ」