Clásicos japoneses con furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lee 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 192.678 caracteres · 394 pantallas
「婆さんが跟いて来てるのだ」
「どんな婆さんだ」
「どんなって、俺が知ってる婆さんだ、お杉って云うのだ、厭なばばあだ」
「それじゃ、三人で飲んでるのか」
「婆さんは、次の室で、一人で飲んでるのだ、あのばばあ、酒くらいだ」
「どうして知ったのだ」
「婆さんを、廊下で見かけたから、そっと往って覗いたのだ」
「どこだ」
「上の段の、あの湯殿のついた室があるだろう、あそこだ」
「そうか」
岡本は考えこんだ。半ちゃんは得意であった。
「どうだ、大将、金の蔓だろう」
「うん」
「なんとかしようじゃねえか」
松山はにやりと笑った。
「俺が割りこむ」
岡本は頭を揮った。
「いかん、待て、これには謀がいるぞ」
松山はだまって半ちゃんといっしょに岡本の顔を見ていた。岡本は半眼になっていた。半ちゃんはもう待っていられなかった。
「ぐずぐずしてちゃ、往っちまうぜ」
松山も好奇心に燃えていた。
「そうだ、こんなことは現行犯にかぎる」
岡本の眼がぱっちり啓いた。
「よし、いい謀を思いついた」
半ちゃんはむずむずしていた。
「それじゃ、どうする」
「あの婆さんを、半ちゃんが往って、歎して伴れて来るのだ、それで婆さんを伴れて来たら、今度はあの色男を伴れて来るのだ」