Clásicos japoneses con furigana
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Lee 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) de 大杉 栄 (おおすぎさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 76.254 caracteres · 151 pantallas
あとでペチカに聞くと、実際ヘロはヘロで、一兵卒から将官にまでなって、豪勇無双なのだという。が、ペチカの連中は誰もこのヘロのことなぞは相手にしていなかった。
相手にしないと言えば、ユダヤ人に対する仕方なぞはずいぶんひどかった。
ある日、ポーランド人の若いピアニストが何かのことから支那の労働者を怒鳴りつけて、支那人なんかは人間じゃないんだ、奴等にはどんなことをしたっていいんだ、と傲語しているところへ、ペチカ等が来た。そしてペチカ等はこのピアニストに食ってかかって、支那人だって人間だ、われわれロシア人やポーランド人と同じ人間だ、と言って、その半日を両方真赤になってこの議論で暮した。
そのペチカ等が、ユダヤ人だと言うと、まるで見むきもしないのだ。そして僕が時々そのユダヤ人等と話ししているのを見ると、その日一日は僕に対してまでも不機嫌な脹れ面をしているのだ。
僕はこのペチカ等のあるものの紹介で、一等にいた一人のロシア人の女とも知りあいになった。この女はモスクワ大学の史学科を出て、パリにも留学したことがあり、大ぶ進歩した自由思想の持主で、いつも僕と一緒に上陸してはできるだけ遠く田舎へドライヴして、土人の生活を見るのを楽しみにしていた。