Clásicos japoneses con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lee 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 47.663 caracteres · 97 pantallas
もうかれこれ午頃で、広小路の芝居や寄席も、向う両国の見世物小屋も、これからそろそろ囃し立てようとする時刻であった。むしろを垂れた小屋のまえには、弱々しい冬の日が塵埃にまみれた絵看板を白っぽく照らして、色のさめた幟が寒い川風にふるえていた。列び茶屋の門の柳が骨ばかりに痩せているのも、今年の冬が日ごとに暮れてゆく暗い霜枯れの心持を見せていた。それでも場所柄だけに、どこからか寄せて来る人の波は次第に大きくなって来るらしい。その混雑の中をくぐりぬけて、半七は列び茶屋の一軒にはいった。
「どうだい。相変らず繁昌かね」
「親分、いらっしゃい」と、色の白い娘がすぐに茶を汲んで来た。
「おい、姐さん。早速だが少し聞きてえことがあるんだ。あの小屋に出ている春風小柳という女の軽業師、あいつの亭主は何といったっけね」
「ほほほほほ。あの人はまだ亭主持ちじゃありませんわ」
「亭主でも情夫でも兄弟でも構わねえ。あの女に付いている男は誰だっけね」
「金さんのこってすか」と、娘は笑いながら云った。
「そう、そう。金次といったっけ。あいつの家は向う両国だね。小柳も一緒にいるんだろう」
「ほほ、どうですか」