Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lee 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 215.744 caracteres · 434 pantallas

Aozora Bunko

先生は庭から表へ飛び出して、畑の方へ逃げて行くと、お角もつづいて追っかけて行きました。何がなんだか判りませんが、わたくしも驚いて駈け出しました。御承知の通り、近所に人家もなく、もう日暮れがたで往来もありません。わたくしは一生懸命に追い着いて、うしろからお角を抱きとめると、先生も引っ返して、ようようのことで刃物をうばい取って、無理に家へ連れ込むと、お角は先生のふところから紙入れを引き摺り出して、それを持ったままで何処へか出て行ってしまいました。お角は始めから仕舞いまでひと言も口を利かないで、ただ先生を睨んでいるばかりでした。お角が出て行ったあとでも、先生はなんにも云いません。これも黙っているばかりですから、お角がなんで腹を立てたのか、どうして先生を殺そうとしたのか、その仔細はちっとも判りません。わたくしは煙に巻かれてただぼんやりしていました」

意外の舞台面がだんだんに展開されるので、半七も三五郎も一種の興味を誘われた。

「お角はそれっきり姿を見せねえのか」と、半七は追いかけるように訊いた。

「それから五、六日は姿を見せません。先生も外へ出ませんでした」