Clásicos japoneses con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lee 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 215.744 caracteres · 434 pantallas
御覧の通りに荒れ果ててしまって、自然に立ち腐れになるのでしょう。仮りにも神様と名のつくものを打っちゃって置くのも良くないから、なんとか手入れをしようかと云う人もあるのですが、障らぬ神に祟り無しで、うっかりした事をして何かの祟りでもあるといけないというので、まあ其の儘にしてあります。そこへ此の頃あの市子さんが毎日御参詣に来るのですが、狐を使うなぞという噂のある人だけに、なんだか気味が悪いと近所の者も云っています。子供たちまでその姿をみると、狐使いが来たと云って逃げるのです」
「市子の名は何というのだね」
「おころさんと云うそうです」
「おころ……。めずらしい名だな」
半七らの詮議は市子や狐使いでない。そんなことは出さきの拾い物に過ぎないのであるから、その詮索はこのくらいに打ち切って、二人はかの異人の一件について話し出した。
「おとといは大騒ぎだったと云うじゃあねえか」と、半七は何げなく訊いた。
「ええ、たいへんな騒ぎでした」と、女房はうなずいた。「異人を殺してしまえと云って、大勢が追っかけて来るので、どうなる事かと思いました。それでもまあみんな無事に逃げたそうです」