Clásicos japoneses con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lee 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 196.831 caracteres · 396 pantallas
殊に心の急いている折柄、こんな男に係り合っているのは迷惑でもあるので、彼は無愛想に答えた。
「そんなことは知らない」
「お若いかたですか」
「知らない、知らない」
云い捨てて長三郎は又すたすたと歩き出すと、男は執念深く付いて来た。
「それから、あの……」
まだ何か訊こうとするらしいので、長三郎は腹立たしくなった。それには云い知れない一種の不安も伴って、彼は無言で逃げるように駈け出した。暗闇を駈けて、音羽の大通りの角まで来ると、彼はまた何者にか突き当たった。
「瓜生さんの若旦那ですか」と、相手は声をかけた。
それは藤助である。彼の持っている提灯も消えているらしい。
「医者は……」と、長三郎はすぐに訊いた。
「もう寝ているのを叩き起こしました。あとから参ります」
「じゃあ。頼むよ」
長三郎はそのまま駈けつづけて、自分の組屋敷へ帰った。もうこうなっては親たちに隠して置くことは出来ない。あとでどんなに叱られるにしても、万事を正直に報告して置かなければならないと思ったので、彼は先ず自分の家へ立ち寄ると、父も母も意外の報告におどろかされた。父の長八は慌てて身支度をして伜と一緒に表へ飛び出した。