Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lee 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 217.272 caracteres · 434 pantallas

Aozora Bunko

「そりゃあどうもおかしいな。その女はいってえ何者だろう」

「ねえ、もしや川から出て来たんじゃ無いかしら」と、お徳は摺り寄ってささやいた。

「むむ。おれも何だかそんな気がする。ゆうべ釣って来たのは雄の鯉で、その雌が取り返しに来たんじゃあるめえかな」

「返してやったからいいようなものだが、なんだか気味が悪いね」

「どうも変だな」

と、藤吉は今更のように表をみかえった。

「外では為さんがあんなことになる。内ではそんな女が押し掛けて来る。どう考えても、むらさきが俺たちに祟っているらしい。まったく悪いことは出来ねえ。もう、もう、これに懲りて釣りは止めだ」

「それにしても、越前屋の方はどうするの。まさかに知らん顔をしてもいられまいじゃないか」

「それをおれも考えているんだ。おれと一緒に行くことは、おかみさんも知っているんだからな」

「それだから知らん顔はしていられないと云うのさ。おまえさん、これから行って早く知らしておいでなさいよ」

「これから行くのか」と、藤吉は再び顔をしかめた。

「だって、打っちゃっては置かれまいじゃないか。夜が更けても直ぐそこだから、早く行っておいでなさいよ」