Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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きのこせっぽう

木の子説法

泉 鏡花

Lee 木の子説法 (きのこせっぽう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.107 caracteres · 34 pantallas

Aozora Bunko

」と躍りかかる。取着き引着き、十三の茸は、アドを、なやまし、嬲り嬲り、山伏もともに追込むのが定であるのに。――

「あれへ、毒々しい半びらきの菌が出た、あれが開いたらばさぞ夥多しい事であろう。」

山伏の言につれ、件の毒茸が、二の松を押す時である。

幕の裙から、ひょろりと出たものがある。切禿で、白い袖を着た、色白の、丸顔の、あれは、いくつぐらいだろう、這うのだから二つ三つと思う弱々しい女の子で、かさかさと衣ものの膝ずれがする。菌の領した山家である。舞台は、山伏の気が籠って、寂としている。ト、今まで、誰一人ほとんど跫音を立てなかった処へ、屋根は熱し、天井は蒸して、吹込む風もないのに、かさかさと聞こえるので、九十九折の山路へ、一人、篠、熊笹を分けて、嬰子の這出したほど、思いも掛けねば無気味である。

ああ、山伏を見て、口で、ニヤリと笑う。

悚然とした。

「鷺流?」

這う子は早い。谿河の水に枕なぞ流るるように、ちょろちょろと出て、山伏の裙に絡わると、あたかも毒茸が傘の轆轤を弾いて、驚破す、取て噛もう、とあるべき処を、――

「焼き食おう!」

と、山伏の、いうと斉しく、手のしないで、数珠を振って、ぴしりと打って、不意に魂消て、傘なりに、毒茸は膝をついた。