Clásicos japoneses con furigana
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とうきょうようさい
東京要塞
海野 十三
Lee 東京要塞 (とうきょうようさい) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.341 caracteres · 37 pantallas
毎朝或る場所へゆくと、そこで目隠しをしたまま自動車に乗せられ、一時間半も揺られながら引き廻された揚句、変な密室のなかに下ろされる。そこで一日左官の仕事をやっていると、夕方にはまた目隠しをしたまま自動車に乗せられ、元の場所へ帰ってくる。この仕事は気味がわるいが一日七円にもなるので、我慢していっているんだと、いささか得意げに語っていたという。
仲間のものは、その男の儲ける金のことよりも、目隠しをしてどこかに連れてゆかれるという猟奇的な話がすっかり気に入ってしまい、へへえ、それで手前はそこでどんな仕事をしているんだと聞けば、かの男は、それがどうもよく分らない仕事なんだが、とにかく三百坪ぐらいもあるとても広くて天井の高い工場みたいな建物の床を漆喰みたいなもので塗っているんだが、その漆喰が変な漆喰で、なかなか使い難いやつなんだ。そのために仕事もなかなか思うように進まず、まだ半分ぐらいしか塗っていないという。
すると友達が、その三百坪もあって背の高い謎の工場というのは、どこにあるか、窓から見える外の様子とか、近所から聞える物音とかで、およそここは江東らしいとか大森らしいとか分りそうなものじゃないかというと、かの男ははげしく首をふって、うんにゃそれが分るものかい、その今いった工場みたいな建物には、窓が一つもついていない