Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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もりのいしまつ

森の石松

山中 貞雄

Lee 森の石松 (もりのいしまつ) de 山中 貞雄 (やまなかさだお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 23.949 caracteres · 49 pantallas

Aozora Bunko

「御本人に出られちゃ俺達の方は一文にもならねえや」

安五郎又将棋を始める。

「此の角は痛いね、どう考えても痛いね……手には?」

「へッ?」

「吉兵衛、手は何だ」

「手には金銀に桂二枚」

「そうか、そうだったな。金銀に桂二枚か金銀に桂二枚と」

「へえ親分へ」

児分が襖の処へ次郎長を案内して来る。

「なんだ」

「お連れ申しました。この方が清水港の長五郎と云う方で……へえ長五郎さん、向って右が武井の御貸元、左が都田村の吉兵衛親分で御座います」

次郎長が安五郎に、

「初めてお目にかかります。お楽しみ中を真に恐れ入ります。手前、清水の次郎長、御見知り置かれて幾久しく御別懇に願います」

「ああお前さんか、次郎長と云うのは? 儂が武井の安五郎だ。何の話か知らねえが丁度今将棋の面白え処だ。もう直き済むから済んでから話を聴こう。それまでお茶でも呑んで待っていて呉れ。おい新太、お客人にお茶出しな」

「へえ」

「さてと……吉兵衛、儂の番だったな」

「へえ」

次郎長、児分に、

「茶は要らねえ。俺は茶を呑みに来たんじゃねえんだ」

と言って立ち上る。

石松と七五郎固唾を呑む。