Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lee 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.078 caracteres · 285 pantallas

Aozora Bunko

十左衛門の濡れた頬が、黄昏の片明りを映して光った、「七十郎は繩目の恥を受け、獄に囚われ、打首となって、死躰をここへ捨てられた」と十左衛門は云った、「――この非道な仕置は国老の名においてなされた、原田どの、貴方は国老だ、この、酷薄無残な処刑の責任は貴方にもある、いや貴方にこそ、あれほど七十郎に信頼されていた貴方にこそ、もっとも大きい責任がある筈だ」

「それで気が済むなら、存分に私を責めるがいい」

「その口だ」と十左衛門は歯をむきだして叫んだ、「そのとりすました殊勝げな口ぶりで、人を籠絡し瞞着してこられた、だが私はもう騙されはせぬ、盲人は顔色音声によって真偽を眩まされることはない、貴方がいつかここへ来られることもわかっていたし、どういう気持で来られるかということもわかっていたのだ、原田どの、この場だけでもよい、偽わりのない本心をうかがおうではないか」

「松山の主水どのがいっしょだ」と甲斐は主水を眼で招きながら云った、「ここで話したいことがあって案内を頼んだのだが、ちょうどいいおりだ、十左衛門にも聞いてもらうとしよう」

「御本心でしょうな」

「自分のことではなく、万治以来の出来事がどういう意味をもっているか、いまそれがどう動いているか、ということを知ってもらいたいのだ」