Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lee 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 88.573 caracteres · 178 pantallas
「今朝になっても出て来ないのか」
「ヘエ、そうなんで」
「縁起のよくねえことだが、殺された様子もないのか」
「海も川も鼻の先だが、船を出して一と通り捜しても死骸は見えませんよ」
「お萩に男はなかったのか」
「あのきりょうですもの、いい寄った男や、焦れている男は何十人あるかわかりゃしません」
「何を隠そう、八五郎もその一人だってね」
「あっしはいい寄られた方で」
「呆れた野郎だ。お前は長生きするよ」
「ところで、何の話でした?」
八五郎は掛け合い話に気を取られて、話題を忘れてしまった様子です。
「あの調子だ、――お萩には男がなかったか、それを訊いてるじゃないか」
「あの娘に夢中なのは、ずいぶん沢山あるようですよ。中でも首ったけの二人」
「誰と誰だ」
「板倉屋の養子幸吉と、佐太郎の弟子久治。あの男はお萩と同じ屋根の下に住んでいるわけだが」
「その二人は昨夜どこにいたんだ」
「生憎久治は叔母のお紺と家にいたに違いはないし、板倉屋の若旦那の幸吉は、番頭の忠助と月末の帳合に忙しく、亥刻(十時)近くまで夜業をしていたそうです」
八五郎の話が本当なら、お萩の行方不知に関することだけは、佐太郎の弟子の久治も、板倉屋の養子の幸吉も疑わしい節は少しもありません。