Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lee 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 88.573 caracteres · 178 pantallas
「大袈裟な」
平次はちょっと舌打ちをしたい心持でした。一方から言えば、江戸中の悪い人間は、皆んな平次を知っているとも取れるのです。
「用事はもうわかるだろうが、伊豆屋の若旦那のことだ」
「溺れたんですってね。私も長いこと御贔屓を受けましたが、お葬いにも伺えない有様で」
お銀はちょっと萎れて見せるので、なかなかの風情です。
「いや、若旦那は殺されたのだよ」
「まア」
「お前のところへ、チョイチョイ来るそうじゃないか」
「いえ、近ごろは親旦那がやかましくて、座敷牢とかに入れられているそうで、この春からはお目にかかりません」
「座敷牢に入ってると、どうして知った」
「それはもう、世間の噂で」
店の者にも口留めして、世間には知らせなかった筈――と思いながら、平次はそこまでは素破抜きませんでした。
「若旦那は、夜中に釣舟で来ることはなかったのか」
「そんなことはありません。嘘だと思ったら、いっしょに此処に泊っているお松に訊いて下さい。若旦那はもう、二た月もここへいらっしゃらないんですもの」
お銀は妙に怨ずる色があります。
店の中は思いのほか貧しそうで、若旦那が滅多に来ないというのも嘘ではないかも知れません。