Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
はしのした
橋の下
山本 周五郎
Lee 橋の下 (はしのした) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.189 caracteres · 25 pantallas
一人の若侍が、源心寺の土塀をまわってあらわれ、大股にこちらへ歩みよって来た。
「おーい」と彼は手をあげた。
向うの若侍は立停り、こちらを見ると、くるっと羽折をぬいだ。下は白支度で、手早く刀の下緒を外し、それを襷に掛けた。
「待ってくれ」とこちらの若侍は叫んだ、「話すことがある、待ってくれ」
彼は腰から両刀をとり、鞘のまま右腕に抱えて走りだした。
向うの若侍は不審そうにこちらを見た。襷をかけた手の片方は脇、片方は肩のところで、下緒をつかんだまま止め、きびしい眼つきでこちらをにらんだ。
走ってゆく彼の脛のあたりで、靄が尾をひくように巻き立ったが、彼が走りすぎるとすぐにしずまった。彼は相手のところへ駆けより、右の脇に抱えた両刀を見せながらなにか云った。――遠いので言葉は聞えないが、彼は熱心に話してい、相手のきびしい顔つきがほぐれた。そのとき、雲のあいだから陽が横さまにさして、相手の若侍の、逞しい顔を赤く染めた。その若侍は大きく頷き、手を伸ばして、こちらの若侍の肩を叩いた。こちらの若侍はいさましく低頭し、相手は笑いながら首を振って、いまかけた襷を外し、羽折を拾いあげた。