Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lee 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.361 caracteres · 483 pantallas

Aozora Bunko

「お母様、有難う……有難う」

と少年の顔が、薄暗い扉の向うで笑っている。

「では皆様方、食堂を開きましたから、どうぞ!」

とユーワンの声が聞えてくる。賑やかな奏楽の音が、耳を打ってくる。早く行って御名代殿下のお手を執らなければならぬ。未亡人はそのまま、殿下のおいでになる控えの間へ急いで来た……。

これが渋々ながら苦い顔をした未亡人から聞き得た顛末であった。

「失礼なことを伺いますが、その時何かいつものヨアンネス様と、お変りになっていらした感じでも、なさったでしょうか?」

「……別段に……」

「もう一つ……では、ヨアンネス様はそういうことが、たびたびおありでしょうか? そういう時に、お小遣いを貰いにおいでになると、いうようなことが……?」

「わたし共では子供に別段、小遣いといっては渡してありません。入用なものがある時、その都度都度に召使に、買いにやることにしています。執事に言えばいいのでしょうが、金額が張ると思ったから、一応わたしの許しを受けに来たのでしょう」

月に幾ら幾らと小遣いをあてがって、それを始末して物を買うなぞということは、平民共の習慣ですよ! といわんばかりに、五月蠅げな答えであった。