Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lee 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.361 caracteres · 483 pantallas

Aozora Bunko

おまけに、キョロキョロしながら出て来た本人の片方の耳環まで、ヒョイト外すと自分の耳につけて、……それをまた当人がサッパリ気が付かぬのが可笑しゅうて……イヤ笑ったにも笑ったにも! あまり騒ぎがどえらいので、仕舞いには王女殿下も出て見えられましたがな。長年側近く召し使うておられながら、王女殿下には到頭、ほんものと偽者との区別が、おつきになりませんでしたわい。間違えて偽の方に用をお言いつけになったりして、……笑いましたにも、笑いましたにも……みんなで腹を抱えましたっけが」

老人は眼に涙を湛えて、笑い出した。

検事も嬢も笑い出した。

「ホホホホホホ、その御学友は俳優にでもおなりでしたの?」

「なんのなんの……俳優どころか! 歴としたお方ですから、今ではクラーグ造船の、重役におなりですわい」

クラーグ造船といえば、丁抹切っての大会社である。

「ルンド様?」

「いいや、あの人は社長の子息……」

「どなたかしら? ステーンセン伯爵様……?」

まんまと図星を指されて、老人は眼を円くした。

「……そう……そう……あの方の、御幼少の時でしたかな。たしか、十六くらいにおなりだったかな?」