Clásicos japoneses con furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lee 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.361 caracteres · 483 pantallas
シャアは黙って太子に従い、太子もまた黙然と佇立して私たちの方に訣別の眼を向けていられる。海を圧する歓呼と万歳声裡に船橋塔の彼方、檣に高く英国旗を靡かせたイキトス号はいよいよ巨体を揺すぶって埠頭を離れ始めたが、太子はただ彫像のごとくにこちらを瞶めて立っていられるのみであった。しかも私はこの時この瞬間の印度の友達たちの太子に対する訣別ほど、世にも悲壮厳粛を極めた光景を未だかつて経験したことはなかったのであった。見よ! あれほど激昂し犇めき合ったその怒りも失せて、もはや誰一人手を振るものもなければ万歳を絶叫するものもない。カパディア氏もジャヴェリもシュカーリャと呼ぶ太子の料理人も、シュカーリャと一緒に印度から来た従僕たちもそしてそのほか二、三のヴィルプール人たちは、ただ粛然と襟を正してその黒い頬に止め度もなく涙をふり落としながら、涙の眼を挙げて自分らの太子の淋しい船出の姿を凝乎と彼方に見上げているのみであった。テープは切れて花のように乱れ飛ぶ中に、耳を聾せんばかり怒濤のような喚声の中に、この一団ばかりはただ止め度もなく涙を溢らせて突っ立っているのであった。