Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Lee 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 112.181 caracteres · 219 pantallas

Aozora Bunko

ともかく、日一日と私はこの二人に惹き付けられて――二人というよりも、この二人の住んでいる世界にといった方がいいかも知れません。その世界の中に溶けこんでしまって、どうしても一思いにここを離れ去ることができなくなってしまったのです。

馬丁の福次郎や水番の六蔵や農夫たちが、二日おき三日おきに大野木へいった時に、取って来てくれますから三日遅れの新聞もあれば雑誌もありますが、そんな新聞雑誌に眼を通すでもなければ、ラジオや映画があるでもなく、近代感覚なぞというものは凡そ薬にしたくもない、こんな無刺戟な単調な山の中で、何が面白くてそう長く遊んでいられるのか? と、先生、貴方はお考えになるかも知れませんが、それがそうではないのです。

ここにいる限り、その日その日が夢のように楽しくて、まるで薔薇の花弁の中ででも眠っているような気がするのです。西洋の小説に、薔薇の花弁に包まれているような気がするとよく書いてありますがまったくそういう気がして、二人と一緒にいる限り毎日毎日がこの上もなく楽しいのです。しかもそれでいて、別段私はスパセニアの隙を見て、ジーナと二人切りになる機会ばかり、窺っていたというのでもありません。