Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Lee 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 112.181 caracteres · 219 pantallas

Aozora Bunko

黙々として歩を運んでいるうちに、潮の香がプウンと強烈に鼻を衝いて、道が砂だらけになって、ようやく岬の突端へ立つことができました。

いよいよ、東水の尾岬の突端へ、出て来たのです。工事場からここまで、十二、三町くらいはあったでしょうか? そして、たった今工事場で驚嘆の叫びを上げた私は、この瞬間、またもや嘆声を発せずにはいられなかったのです。見ゆる限り海波が渺茫として、澎湃として、奔馬のごとくに盛り上がって、白波が砕けて奔騰し、も一度飛び散って、ざざーっと遥かの眼下の巌に、飛沫をあげています。

豪宕というか、壮大無比というか!

「あ、危ない、まだそこの欄干が、できていませんわよ……」

落ちたら最後、もちろん、命はありません。からだが粉々に砕け散ってしまうでしょう。眼下数百呎というか、数百丈というか? 切り立つように嶮しい断崖です。その断崖の真下に打ち寄せて来る波は、千千石湾から天草灘を越えて――万里舟を泊す天草の灘、と、頼山陽の唄ったあの天草の灘から、遠く東支那海へと列なっているのでしょう。

そして右手の方、紫に淡く霞んでいるのは、早崎海峡を隔てて天草本島かも知れません。