Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lee 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 77.492 caracteres · 156 pantallas

Aozora Bunko

それにも拘(かかわ)らず、昂進(こうしん)して来る病人の費用は、彼の生活の困り出すのに比例して増して来るのは明(あきら)かなことであった。然(しか)も、なお、いかなることがあろうとも、彼がますます疲労して行くことだけは事実である。

――それなら俺は、どうすれば良いのか。

――もうここらで俺もやられたい。そうしたら、俺は、なに不足なく死んでみせる。

彼はそう思うことも時々あった。しかし、また彼は、この生活の難局をいかにして切り抜けるか、その自分の手腕を一度はっきり見たくもあった。彼は夜中起されて妻の痛む腹を擦(さす)りながら、

「なお、憂きことの積れかし、なお憂きことの積れかし」

と呟(つぶや)くのが癖になった。ふと彼はそう云う時、茫々(ぼうぼう)とした青い羅紗(ら しゃ)の上を、撞(つ)かれた球(たま)がひとり飄々(ひょうひょう)として転がって行くのが目に浮んだ。

――あれは俺の玉だ、しかし、あの俺の玉を、誰がこんなに出鱈目(で たらめ )に突いたのか。

「あなた、もっと、強く擦ってよ、あなたは、どうしてそう面倒臭がりになったのでしょう。もとはそうじゃなかったわ。