Clásicos japoneses con furigana
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
Lee 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 77.492 caracteres · 156 pantallas
清より一年上の姉の娘の敏子と清とは、もう高い石段を真っ先に馳け登ってしまって見えなくなった。定雄は石段を登る苦しさに身体がよほど弱って来ているのを感じた。彼はその途中で、今年次ぎ次ぎに死んでいった沢山の自分の友人のことを思いながら、ふと、自分が死んでも子供たちはこうして来るであろうと思ったり、そのときは自分はどんな思いで堂の中から覗くものであろうかと思ったり、世の常の堂へ参る善男善女の胸に浮ぶ考えとどこも違わぬ空想の浮ぶのに、しばらくは閉口しながら子供らの後を追っていった。しかし定雄は千枝子や姉を見ると、彼女らは一向父母の骨の前に出る感慨もなさそうに、あたりの風景を賞しながら楽しげに話しているのを見ると、それではこの中で一番に古風なのは自分であろうかと思ったりした。そのくせ京都へは幾度も一人で来ていながら、まだ彼は一度も墓参をしなかったのである。
先きに行った子供らは定雄らがまだ石段を登り切らないうちに、もう上の境内を追っかけ合いをして来た足で、また石段を降りて来ると、今度は母親たちの裾の周囲をきゃっきゃっと声を立てて追っ馳け合った。
「静になさい静に、また咳が出ますよ」